死者との結婚「冥婚」とは?中国・台湾・日本の冥婚事情

記事の著者:Kanako

親からみて我が子が自分より先に亡くなってしまうことはとても悲しいものです。

しかし、昔の考えでは若い頃に亡くなってしまった子供を供養するには、誰かしらと結婚の契りをかわさなければ不幸になると信じられている地域があり、今でもその風習を守っている人々がいます。

そういった独身で亡くなった死者との結婚を「冥婚」と言います。この「冥婚」は現在どのように受け継がれているのか。「冥婚」について詳しくみていきましょう。

国によって違う「冥婚」の風習

一昔前は中国、台湾、日本で冥婚の儀式が執り行われていたようです。ここでは「冥婚」の文化について詳しくみていきましょう。

中国の冥婚事情

中国ではいまだに冥婚の文化を守っている地域があります。

江蘇省、山西や広東省などの農村地区ではいまだに冥婚の風習が残っているといいます。未婚の男性が病気などで死亡した場合、独り身であの世に行くことはタブーとされています。

冥婚は亡くなった息子の魂を弔うことが目的とされており、独り身のままでは残された家族の身に不幸が訪れるという言い伝えがあるのです。

そのため、独身のままこの世を去った息子に、お嫁さんをもらおうと冥婚の準備がなされます。

中国では、病院などで不意の事故や病で亡くなりそうな未婚女性がいるという情報を知れば、病院に行き、女性の親族に「うちの息子と結婚させてくれ」と言わんばかりに、独身の息子を亡くした親族たちが競りまで行われてると言います。

ここで合意すると、女性が亡くなってから死体を引き取りにきて、晴れて息子との冥婚が整います。息子の遺体を掘り起こし、そこで儀式は終了。

2つ家族は売り手と買い手という立場から、親戚となるというなんとも信じられない現実が実際には残っています。

台湾の冥婚事情

台湾のガイドブックにものっていない冥婚の儀式を紹介しましょう。

台湾でも冥婚の習慣はいまだに残っています。しかし、中国と違うことは生きている人と死者の結婚が許されているということ、そして亡くなった独身女性の両親が娘の結婚相手を見つけるという点です。

道に落ちている赤い封筒を男性が拾うと、物陰に隠れていた亡くなった女性の家族が出てきて、結婚させられるというのです。

この場合は男性であれば既婚者でも独身でも構わないとされており、既婚者でも冥婚をした死者の女性は前妻という扱いになるのだといいます。

この赤い封筒は、亡くなった女性の名前や写真、そして髪の毛なども入っている場合があり、それを拾った男性との契りを結ぶ意味も込められています。

なんだか恐ろしい話のようですが、台湾ではとてもポピュラーな話で、中には男性が自ら志願して冥婚をするケースもあるようです。

なぜなら、男性の家系が貧しくても、冥婚で結ばれた女性の家系をは親族になり、女性の実家から金銭的に援助してもらえる可能性もあるのです。

台湾の冥婚の風習は、生きている人との契りを交わす分中国とは少し違うものになっています。
 

日本の冥婚事情

日本でも驚くことに冥婚に似た儀式は存在しており、青森、山形、沖縄で主に行われていたと言われます。

日本の場合は絵馬や人形を配偶者に見立てることで、独身で亡くなった死者を供養する形で冥婚が行われていたと言われています。

日本の冥婚もまた死者からもたらされる災いを避けるためと言われており、それだけ独り身のまま亡くなるということはタブーとされていたのでしょう。

まとめ

冥婚は遠い昔の迷信のように感じますが、驚くことに今でも言い伝えを守って、冥婚を取り行っている場所があるというのは驚きです。

冥婚だけでなく、昔からの風習がある国などに出向く時は、そういった歴史や文化を知ることも大切になってくるので、巻き込まれないようにチェックしておくのも大切です。